『終末のフール』<span class="note">(伊坂幸太郎)</span>
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/03/24
- メディア: 単行本
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「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されてから早5年、仙台市北部*1のマンション「ヒルズタウン」住民の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか……という連作短編集。全8編。大きなパニックが収まり小康状態、という時の設定と、首都圏でなく地方都市、という場所の設定は上手い。というか、持ち味を出しやすいフィールドを上手いこと作ったなあ、という感じ。
人類あと3年だけど産む?産まない?「太陽のシール」、父親の蔵書も読み切ったしそろそろ恋人でも探そうかな「冬眠のガール」、あるときは面倒見のいい孫娘、あるときは話のわかるお姉ちゃん、またあるときは厳しいお母さん、しかしてその実体は?「演劇のオール」、の3つが好み。特に「演劇のオール」がいいなあ。疑似家族ものはツボです。宮部の『ステップファザー・ステップ』なんかも大好き。
"チャイニーズスープ"*2 みたいなのは出てこないので、狂気好きの視点から見ると物足りなさはあります。