『生者と死者 <span class="note">酩探偵ヨギガンジーの透視術</span>』<span class="note">（泡坂妻夫）</span>

生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)

一定間隔毎に袋とじされていて、そのまま読むと短編として、切り開いて読むと長編として楽しめるという変態的仕掛け本。もし未開封のものを発見したら、興味がなくても即確保です。

こんな仕掛けを施したミステリを書きとおしたその執念はすごい。んだけど、推理小説としての出来は正直そんなに……。ついでに、本の仕掛けも見りゃわかっちゃうタイプなので驚きはそんなに……。

ただ、短編のあそこのあの描写はどうやって使うんだろ、という疑問が長編で綺麗に解決されていくのは気持ちがいいかも。「サプライズ」というよりは「腑に落ちる」という感じ。