『愚行録』<span class="note">(貫井徳郎)</span>
- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/03/22
- メディア: 単行本
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貫井徳郎がきましたよ。表紙も黒いが中身はもっと真っ黒。
あるエリート一家惨殺事件の被害者夫妻の知人たちへのインタビューと、その合間に挟まれているある兄妹の会話。一面の真実を思い込みと自己欺瞞でコーティングしたエピソードの数々は、どれもこれもステキに酷い。とりあえずお前ら全員死んじまえ、といった趣。言葉が汚くてごめんあそばせ。人間て素晴らしい、と無邪気に信じていたい人は読まないほうがいいかも。これがまるっきり他人事だと思っちゃうやつが一番タチ悪いのかも知れんけどねー。
度肝を抜くトリックも見事な騙りもないんですが、ミステリとしての出来は、とかそんな寝ぼけたことを言ってる暇があったらとりあえず読めと。特に、慶応を扱き下ろしまくっているあたりが大変面白いです(暗い楽しみ)。