『ドッペルゲンガー宮 <span class="subtitle">《あかずの扉》研究会流氷館へ</span>』<span class="note">(霧舎巧)</span>
ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ (講談社ノベルス)
- 作者: 霧舎巧,辰巳四郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/07/06
- メディア: 新書
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
メフィスト賞受賞作にして《あかずの扉》研究会シリーズ第一作。今まで放っておいたのを取り出して読んでみたのだけれど……えーと、もう少し積読の山の中に放置しておいてもよかったかも。あれこれ詰め込もうとしすぎて中途半端な感じ。
序盤の《あかずの扉》研究会の紹介は悪くない。冗長に感じる人もいるかもしれないけれど、シリーズの最初だと思えば許容範囲内。ただ、流氷館で事件が起き、探偵役が解決のために動き始めると俄然グダグダになる、ってのはどうしたものか。や、面白いとかつまらないとか言う前に、事件の構図がさっぱり見えなくてページを繰る手が止まりがちになって何だかもうどーでもよくなってくるという……。ヘボ探偵である読者をもっとミスリードしてくんなきゃ読む気が起きねーです。
館ものなので館にトリックがあるんだけど、まあ、バカトリックだよなあ。大仕掛けすぎてスマートでないのは個人的に好みでないので減点。それと、ダブル名探偵を配した謎解きも失敗してるっぽい。名探偵Aが解決したかに見えた事件を名探偵Bが引っ繰り返して驚愕の真実が明らかに!というよくあるパターン。なんだけど、(以下微妙にネタバレかも)2人がそれぞれに指摘する犯人の、意外性のバランスがおかしい気がする。読んでる時の気分としては、「犯人は a だ!」「な、なんだってー!」→「本当の犯人は b です」「あ、そうなんだ。ふーん。」という感じでした。